2017年12月30日-31日兵庫県氷ノ山(須賀ノ山)
kindleで雪崩教本を読んでいたら、うん、良くわからん山に行きたい、になってしまい、
雪崩教本 雪崩対策必読の書 Avoid a Avalanche Crisis
天気予報を見たら、12/30がぽっかり晴れることが分かったので氷ノ山まで足を延ばしました。山頂までは行けていません。ラッセルとピッケルの使い方に慣れるためのトレーニングというところです。テン泊予定ではありませんが、40Lザックにテン泊装備で13.6kg。
年内最後ということで長めの文章になってしまいました。
GWに登ったときの記事はこちら。
JR八鹿駅
八鹿駅からバスで登山口付近まで向かいます。久しぶりだったのでICカードの使えない駅だということを失念していました。バスで一緒になった学生さんらしき集団の中にキスリングっぽいものを背負っている方がいて一瞬釘付けになりました。(どうもスノー・スキー目的の様子)
氷ノ山登山口
バスを降りて少し歩き、ここから駐車場へは降りずに進んで右側のたんまり雪掻きされている山を越えます。
福定親水公園の登山口へ向かうにはこの道でいいのですが、東尾根登山口へ向かうなら、このまま駐車場の方へ降りて新ビギナーリフトの方からゲレンデへ向かった方が楽です。しっかり踏み固められており、ラッセルの必要がありません。もっと楽をするならリフトを使うのも手です。
氷ノ山福定親水公園・・・のはずが
この登山口から山頂を目指す予定が、通行止の看板が置いてあったため、迂回し、東尾根登山口から登ることに。登山届の修正やらでタイムロス。もしかすると車両通行止めの看板であり、人はOKだったかも。
氷ノ山国際スキー場のゲレンデを経由して登山口へ向かいます。一人ぽつんと登山格好なためかちょいちょい話しかけられます。
東尾根登山口
いくつかゲレンデを越え、奈良尾キャンプ場の少し先に登山口があります。キャンプ場の看板に記載の電話番号が消去されていたのですが、冬季は営業していないのかな。
ピンクテープと踏み跡を確認し、登って行きます。登り始めはそうでもありませんが、東尾根避難小屋までは急登が続きます。
なのでツボ足野郎こと私は斜面ラッセルで苦労することになります。スノーシュー、輪かんじきによる踏み跡が付いていますが、いざ踏み込むと股下くらいまで潜り込むことも多々。しかし元々トレーニングがてらの山行なのでなんのその。
東尾根避難小屋
東尾根避難小屋の2階窓から撮影しています。写真真ん中に見える指導標を左が来た道。
ここまで1時間20分ほどかかって到着。無積雪期だと25分のコースです。バス停を降りてから4時間ほど歩き、迂回したとは言えこの時点で15時。
次のチェックポイントとなる神大ヒュッテまで通常1時間半の道のり。これまでを考慮し、倍はかかる見込みと、神大ヒュッテは鍵がかかっており、小屋の中でビバーク出来ないのでここでの停滞を決めます。
ちょっと早めの夕食。メスティンでお米を炊くときに蓋の上にレトルトカレーのパウチを乗せて温めておきます。北野エースのカレー、うまいですよね。
コース変更で水場に寄れなかったので雪を溶かして煮沸します。翌朝分の水だけでもと。東尾根コースも少し進めば水場があります。冬も使えるのかな・・・
今回はハチミツをたっぷり溶かした紅茶を持参していました。24時間経ってもほんのり温かい水筒に感謝。
mont-bell(モンベル) アルパインサーモボトル 0.5L MDGN 1124617
- 出版社/メーカー: mont-bell(モンベル)
- メディア: ホーム&キッチン
- この商品を含むブログを見る
寝床は2階を使わせてもらい、設置してあった毛布を床に敷き、その上にシュラフを広げて眠りました。寝間着は着替えたメリノウール肌着・パタゴニアのフリースベスト、モンベルのスペリオダウン、下はヒートテックタイツ・スペリオダウンパンツ、メリノウール靴下(中厚手)です。
これでも寒いので背中と両足の裏にカイロを貼り、シュラフの中にハクキンカイロを忍ばせ、足部分はシュラフごと空にしたザックに突っ込んでさらに上から毛布を掛けて就寝です。
中々寝付けなかったのですが、一度眠りこけると朝までぐっすりでした。寒いところで(暖かくして)眠るのは気持ちいいですね。
下山
えっ?と言わんばかりの展開です。
翌朝5時頃に目を覚まし、外を見ると横殴りの吹雪に。干していたメリノウール肌着やソフトシェルが凍っていました。
午後から雨の予報だったのと合わせて、この状況で山頂は無謀だと判断し、下山しました。
ゲレンデには新雪が積もっていました。付近のロッジに寄り、自販機で飲み物を買いつつ掃除中のお兄さんと一言二言交わしてバス乗り場へ。あとは八鹿駅へ帰着です。
全然人がいなかったのでグリセードやシリセードの練習すれば良かった。
今回の装備
ウェア類
行動中は上半身にメリノウール肌着、ソフトシェル、ハードシェル。
下半身はソフトシェル、オーバーパンツ、スパッツ。靴下は中厚手メリノウール。
オーバーパンツはモンベルのストームクルーザーなのですが、ストレッチ性に難があることが分かり、深いラッセルで脚を頻繁に抜き下げする状況は不得手かなと。薄手なのに丈夫なのが気に入ってましたが、用途としては無積雪期の雨具ですね。
ウェア類の思うところ
やはりメリノウールは乾きづらいです。着乾かすにも寒すぎるため着替えは必須ですね。ソフトシェルまで保水してしまって翌日凍ってしまっていたのには難儀しました。積雪期には別の中間着を探すべく、評判の良いパタゴニアのナノエアフーディを狙っています。
靴は断熱・保温材なしのため、 ラッセル中は寒さを感じました。次回は吸湿発熱素材のソールを試してみようと思います。
ハードシェル
今回はハードシェルを持って行きました。モンベルのストリームパーカー(旧ストリームジャケット)です。脇のベンチレーターとか手袋が入るくらいの大きな胸ポケットやら細かい使い勝手が良く、防風・防水もばっちりです。
ピッケル
そして初ピッケルだったのですが、挿すときは斜面に鉛直ではなく直角にし、上りはピックを前向きに、下りは後ろ向きにという基本をなぞり、谷側・山側で持ち替えてみたりと実験してみました。
下りでもピックを前向きにする歩き方もあるようですし、一概には言えないのですが、まずは滑落を防止することを念頭に置き、万が一滑落した場合でも利き手で制動を掛けるため、場合によっては身体を捻ったりなんてことをイメージしながら歩きます。
またラッセル中に深く潜り込んでしまった時に三点支持の要領で脱出してみたりして、登る時にとても心強い道具となりました。
そう言えばシャフトを平行に持って雪を掻き落として踏み固めるラッセルや、クロスボディという持ち方で、より素早い初期制動を掛ける方法もあるようです。
my new gear...
今回はヘストラの3本指ミトン型手袋を用意しました。2重構造になっており外側は革、内側はウールの手袋です。取り外し可です。外側はオイルを塗り込んで乾かした後にワックスを塗っています。
兵庫県の雪は湿雪なため、手袋が保水しないように念入りに防水対策しました。おかげで下山した後も指先までずっと温かいままでした。ピッケルもしっかり握れます。ただし、自分の手汗が乾きにくいためインナー手袋は保水します。
モンベル製の男性用でLサイズの方だと8サイズがしっくりくると思います。
買った時に手袋自体に少量のオイルが付属していましたが、買ったばかりの手袋に塗り込むには少し心許なかったので純正オイルを買い足しました。
HESTRA(ヘストラ) ヘストラ スキーグローブ用グローブオイル 91700 LEATHER BALM ●2個セット レザークリーム レザーバーム hestra スキーグローブ
- 出版社/メーカー: HESTRA(ヘストラ)
- メディア: その他
- この商品を含むブログを見る
ワックスはこちら。定番ニクワックス。
NIKWAX(ニクワックス) ウォータープルーフWAX革用60ml EBE4A0 【撥水ワックス】
- 出版社/メーカー: NIKWAX(ニクワックス)
- メディア: スポーツ用品
- この商品を含むブログを見る
撥水具合はこんな感じ。
斜面を四つん這いで登っていると雪を掴むことが多いためか表面が変色していました。インナーのウール手袋は自分の手汗でじんわり濡れていましたが、朝起きた時に凍っていなかったので外側からは浸水していなかったと思われます。
この変色って外側からの浸水なのかな。
アイゼンの歩行
まだまだ歩き慣れませんが12本爪で、フラットフッティングを意識して歩きました。とは言っても重心は前指付け根あたりを意識します。背負ってる荷が重いので、重心を少し前にすることで姿勢を安定させるつもりでそうしています。
スリーオクロックの歩行練習もしたかったのですが、登るのに必死で意識的にというか必然的にそうなって歩いているという場面が多かったです。下るときは身体を斜めにしたりしてとにかく滑らないよう時間がかかってもしっかり位置取りして歩きます。
自分の場合、要するにアイゼン歩行については爪をきちんと全部噛ませて姿勢を安定させて歩こうね、くらいで考えているので良いテクニックがあればどんどん取り入れていこうと思います。
歩行についての細かい理屈はヤマケイで。
2017年の山行
今年の2月に山登りを開始して、すっかり魅力にハマってしまいました。事前計画、山行、反省、改善と山PDCAを回しました。
初心者なりに無い経験を知識で補う形で安全マージンを取りつつの山行で過ごしました。ほとんど単独行だったので来年は仲間を増やせたらいいな。
2018年の山行
ちょうど12/29に友人と山話をする機会があり、来年はどこかに行きましょうということで、まとまった休みが取れたら計画しようかなと。
集まるメンバーの体力・装備次第ではありますが、手始めに夏に尾瀬トレッキングがいいかなと。
個人的には立山、北岳、谷川岳、甲斐駒ケ岳、木曽駒ヶ岳、北・南八ヶ岳。多分に本や小説の影響を受けています。
後はロープワークも学べたらなと。アンザイレンしてみたい。
ひとまず理屈耳年増にならないようマイペースに実践トレーニングを重ねていきます。
それでは皆様、来年も良いお年を。