アレ屋

バイクで登山口まで

2020年10月3-6日 3泊4日八ヶ岳縦走

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3泊4日で八ヶ岳の縦走に挑戦しました。
昨年の残雪期は赤岳で無念のリタイア…今年こそは…!

昨年の記事はこちら。

alessiareya.hatenablog.jp

 目次

DAY1

観音平→網笠山→青年小屋テン場です。
コースタイムは予定3時間45分 実績3時間10分。

 

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JR小淵沢駅からタクシーで約30分。登山口の観音平へ。ここからひとまず網笠山を目指します。


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山頂にはツアー客らしき人がたくさんいました。青年小屋泊まりかな。


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本日の高級寝床。ヘリテイジのクロスオーバードーム2G。シングルウォールなので結露が酷いのと、生地が薄いので雨の日はそれなりに水没します。でもポール含めて630gと、かなり軽いのです。


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青年小屋テン場から5分ほど歩いたところにある乙女の水です。明日のために計4L補充します。水量が少ないせいなのか、やや土・木の味がします。

 

DAY2

青年小屋テン場→権現岳キレット小屋→赤岳→横岳→硫黄岳→夏沢峠→箕冠山根石岳→東天狗岳→中山峠→にゅう→白駒の池キャンプ指定地(青苔荘)

コースタイムは予定11時間30分 実績15時間15分。

 

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ここは権現岳へ向かう途中の、のろし場。今日の行程は長いため朝4時過ぎに青年小屋を出発。

ヘッデンの灯りがないと何も見えない黒暗森林を進みます(艦隊とかいません)


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暗闇の中を権現岳の岩壁を登るのは中々怖いですね。ここからちょいと登った先が山頂。


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赤岳へ続く縦走路に戻り、源氏梯子(ゲンジーはしごとも呼ばれたり)を下ります。

八ヶ岳縦走を通して、こことキレット小屋から赤岳にかけての岩壁が抜群に怖かったです。


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降り切って、上を見返したところ。よく設置してくれたものです。

 

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確か、キレット小屋に降りなくても赤岳に向かえたはずなのですが、なぜか通ってしまったので、通過します。休業中のようでした。


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キレットから赤岳に向かうと、この岩登りが中々強烈。キレット小屋あたりでトレッキングポールを収納したり、行動食や水(ナルゲン等のボトル)を補充しておくと良いです。

小さなテラスくらいはあるのですが、ザックを降ろせるようなスペースがあまりないため、立ち休憩でやり過ごしつつ、慌てず、三点支持で登ります。

この辺りで、ワラーチを履いたご年配の方に追い抜かれて、「赤い岳って書いて、あかだけって読むんですかね?」と尋ねられ、何か色々挫折しそうになりました。


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ちょいちょい登場する梯子。写真は見切れていますが、梯子の下は崖です。乗り移るのがちょっと怖い箇所です。


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赤岳山頂はガスガスでした。


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横岳へ向かいます。切り立った崖上を歩きますが、十分歩行出来ます。権現岳から赤岳を登り切った人なら大丈夫です。


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写真の角度があまり良くないのですが、そこそこ急な斜面。鎖はあてにせず、しっかりと脚で支えます。


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赤岳から横岳間もスリリングな場所が多く、冷や汗をかきながら横岳に登頂です。


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そしてお次は7つのケルンに導かれ、黄泉比良坂へ…ではなく、


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硫黄岳へ。ここは稜線がきれいなところですね(晴れていたらね 泣)

下りは、誤って赤岳鉱泉の方に向かってしまい、慌てて戻り、夏沢峠を目指します。


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硫黄岳の下りも中々急でした。下った先は迂回路があったり。2019年の台風の影響でしょうか。


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ようやく夏沢峠へ。北八ヶ岳南八ヶ岳の分岐点にあたるそうです。

さて、ここから本沢温泉へひとっ風呂…いやいや、本日のテン場を目指します。


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箕冠山根石岳を通過します。根石岳は巨大な岩の上を歩きます。


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ようやく中山峠へ。ここから、にゅうを目指します。写真奥の方を進みます。


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中山、にゅうの分岐をにゅうの方へ。


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歩き疲れてか歩行速度が落ち、いつの間にかすっかり暗くなってしまい、ピンクテープを頼りに何とかキャンプ場に辿り着きます。

青苔荘の方によると、今日の私のコースは夏にやった方がよかったねぇとのこと(到着時刻が日暮れであったため)

私自身ここまで遅くなるとは見込んでいなかったので、次回、長時間行動になる場合は時間で区切るか、後半はコースタイムが落ちる事を念頭に置くべきと反省しました。

余談ですが、小屋のスタッフさんは1日でここから小淵沢まで下るそうです(えー

 

DAY3

白駒の池キャンプ指定地→麦草峠→大石峠→茶臼山縞枯山→雨池峠→雨池山→三ッ岳→北横岳→亀甲池→双子池キャンプ場

コースタイムは予定6時間50分 実績8時間40分。


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まずは白駒の池キャンプ指定地から麦草峠に向かいます。ここいら一帯は湿地らしく、木道も合間って、尾瀬のような雰囲気でした。


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麦草峠ヒュッテを横目に国道299号線を横切り、
※麦草ヒュッテは飲み物が他の山小屋に比べて安いようです。国道通ってますもんね。


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縞枯山へ。

今日の行程は、後は北横岳くらいだなと思っていたら、その途中の三ッ峠を失念しており、ここがもう難所も難所。

北横岳まで標高がさほど変わらないのと、2時間のコースタイムを見て、ひょっとして稜線歩きなのでは?と浮かれていました。

全然そんな事ないです。

根石岳のような巨大な岩山群をガスと強風の中、歩き続けます。巨石の間の穴は深く、落ちたらよじ登れなさそうです。四つん這いでよじ登る箇所も多く、三点支持で慎重に通過します。

ええ、写真を撮る余裕もありませんでした。


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思わぬ箇所で冷や汗をかいたのですが、ようやく北横岳ヒュッテへ。


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ようやく山頂へ。風が強かったのでそそくさと、本日のテン場へ移動します。ここからは亀甲池経由で双子池キャンプ場です。テン場からヒュッテが離れているので、受付がどこにあるのか不安になりました。

 

DAY4

双子池キャンプ場→亀甲池→天祥寺原→蓼科山荘→蓼科山蓼科山荘→七合目登山口

コースタイムは予定5時間5分 実績5時間29分。

縦走最終日です。


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双子池キャンプ場の朝。今日は蓼科山を登り、下山するだけです。


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テン場からまた亀甲池に戻り、天祥寺原から西に向かい、分岐でまずは蓼科山荘を目指します。


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地図記号通り、荒地です。八ヶ岳は樹林帯といっても、大体こういう岩や石の上を歩く事が多く、土の地面を踏んだ記憶があまりないような。


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蓼科山荘で小休憩し、一気に山頂へ。ええ、知ってますとも岩石帯をよじ登って。

ということで、網笠山から蓼科山までやってきました。長かった。


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七合目登山口までサクッと降り、ここで下山です。よく歩いた。


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登山靴は岩でこすったり、泥をかぶったりでワックスの落ちている箇所もあります。

七合目登山口からは、少し歩いてゴンドラで蓼科牧場まで降りて、あとはバスで帰路に着きました。

コース紹介

編笠山権現岳、赤岳、横岳、硫黄岳、根石岳、東天狗岳、にゅう、茶臼山、三ッ岳、北横岳、蓼科山

縦走している方のほとんどは三ッ岳を回避しているようです。もっと早く知りたかった。

装備

ここからは道具の考察など。

衣類

www.teton-bros.com

尾州ウールのハイブリッドウールです。3日間はこれをベースにパタゴニアR2、雨具と組み合わせていました。風がなければR2までで十分。案外、ニオイも気にならず。

最終日は汗冷えが気になり、長袖(ジオライン中厚手)に着替えました。

グローブ

ファイントラックのラピッドラッシュグローブ。薄手のグローブです。岩壁をよじ登るのに重宝しました。ただ、霧雨の中は寒かったため、もう少し厚め+防水性のあるものの方が良かったです。

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中山製靴さんの1000DXです。濡れた岩壁もしっかり踏ん張れました。
靴下は全行程通して、お馴染みのFITS1足だけで過ごしました。
※予備は別途用意していました

テント

heritage.co.jp

ヘリテイジのテント、というかドーム型ツェルト。ポール含め630gという軽量っぷり。

2ポール式シングルウォール型テントと思えば何ら使い勝手は変わりません。ただ、生地が薄いのでSOL ヘビーデューティ エマージェンシーブランケットをグラウンドシートとして使いました。

耐水圧はステラリッジのフロアシートより少し劣るくらいなのですが、雨が多いと耐水圧を安々と超え、浸水します。浸水する前提で、スタッフバッグは全て防水にしています。

透湿性もあまり期待せず、2箇所あるベンチレーターは全開にするとやや結露を抑えられます。中で火器を使う場合はそもそも非推奨ですが、他テントと比べ、酸欠しやすい気がするため、出入り口を開けます。

寝床は、モンベルダウンハガー800#2をイスカ コンプレッションバッグMで小さくし、シュラフカバーとしてSOL エスケーププロヴィヴィと、マットはSEATOSUMMITのイーサーライトXT インサレーティッドマット。
ヴィヴィはなくても構いませんが、クロスオーバードームの構造上、かなり結露するため、ダウンシュラフを使う場合はあったほうが安心です。

食事

朝は無印の○○バウムシリーズやULTRA LUNCHのBivouac Ration、昼は行動食、夜は 米を炊いて、レトルトのちょっと良いカレー(北野エース)です。
イチオシはヤマモリのプーパッポンカリー。あえて米をバスマティにするとさらにgood。

行動食はPOWBAR。1食で150kcalオーバーでタンパク質や食物繊維も入っています。やや飲み込みづらいので水分補給と合わせました。他はドライフルーツやチョコレート等。食欲が無くても食べられそうな物をチョイス。

ザック

www.gregory.jp

グレゴリーのバルトロ65Mです。水無しで約17kgほどのパッキングでした。

水場

北に行けば行くほど水場が少なくなる印象でした。

1日目は青年小屋から歩いてすぐの乙女の水で4L。
2日目は青苔荘で4L。
3日目は二子池ヒュッテで2L。

乙女の水が一番美味しかったかな。青苔荘のは、塩素消毒されているようです。米を炊くときは、先に煮沸しておくと臭みを減らせます。
二子池は名前の由来の1つ雄池の水を汲んだもののようで、煮沸するようにと言われました。

天気予報

今回は、コンパスEXを契約したのもあり、てるぼうずを参考にしました。1時間ごとの予報が役に立ちました。

所感

八ヶ岳は北は樹林帯、南は岩石帯ということで、前半行程で難しい岩石帯をクリアし、
残りはのんびり稜線歩きと思い込んでいたら、全行程を通して、岩石帯を歩いていた印象が強いです。さらに登り返しも多いです。

北は地図記号でいう荒地の場所には土の地面はあるのですが、ガレ場を歩くことがほとんどです。

さらに根石岳や三ッ岳のような巨石帯があり、鎖を使ってよじ登ったり、降りたりと65Lザックを背負ってのトレッキングは中々堪えました。

また長時間行動は、行動食を摂るのも億劫になり、いわゆるシャリバテ(ハンガーノック)に陥ったまま歩き、かなりペースが落ちました。少量でいいので30分に1度は摂る癖をつけた方が良さそうです。

もし、次に歩くなら小屋泊前提としたパッキングで・・・
残雪期に歩くなら日数増やさないと。 

大変な行程でしたが、八ヶ岳、とても良い山です。また行こう。