アレ屋

バイクで登山口まで

滋賀県蓬莱山

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雑誌に載ってた稜線がきれいだったので一目見に行こうと滋賀県の蓬莱山へ行って来ました。

が、思っていたのと違う。

登山口へ

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電車を乗り継ぎ、JR大阪駅→JR大津京駅→ JR志賀駅志賀駅から、びわこバレイ行きのバスへ。びわこバレイにしか停まりませんでした。

 

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ネットで調べていたら蓬莱山の積雪は30cmくらいとのことだったので軽アイゼンだけを持って行ったのですが、バス停から蓬莱山を見上げると白いのが見える。ここから見えるということは30cmくらいじゃ済まないのでは。

登山開始

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びわこバレイバス停を降りて、少し歩くと登山口の案内看板があります。登山シーズンではないからか少し分かりにくいです。こちらのルートは西側から蓬莱山へ直登するルートです。バス停から少し下ったところにある登山口は東の天狗杉、クロトノハゲ、打見山から稜線沿いに蓬莱山を目指すコースです。断然、東側が楽ですが今回は西側から。今思うとなぜ西側からをチョイスしたのか。

 

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道なりに進み、金比羅峠経由で山頂へ向かいます。

 

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先ほどの看板の案内通り進むのですが途中に沢があるだけ。何やら奥に白い看板のような物が見えます。

 

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地面にそっと置かれた登山口の看板を見つけて、念のためGeographinicaで地図を確認しここが登山口であることを確認します。もしかしてほとんど登られていないルートなのでは。

登山口

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登山道らしいものは分かりづらく、道中は木に何かしら赤い目印がつけてあったのでこれを目印にして進んで行きます。今までに歩いてきた山道とは違った雰囲気です。

 

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10分ほど歩くとガッツリ登山道を積雪が覆っていました。地面が露出していたりもするのですが、表面が凍っていたりして滑りやすそうなので仕方なしに軽アイゼンを装着。

ラッセル再び

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あれ?積雪は30cmのはずでは。膝までガツンとハマりました。氷ノ山を思い出します。

 

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予想より大分、積雪があります。

 

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目視出来そうな登山道が分からないので木に結び付けられた目印とジオグラフィニカで進行方向を確認しつつ進んで行きます。

 

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金平峠2を通過します。このルートで合っているんだと安心しつつ、この辺りからほぼ膝上まで埋まるようなラッセルが続きます。たまに腰まで埋まることも。そしてチラチラ降ってくる雪。

斜面ラッセ

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氷ノ山でラッセル地獄を体験したのですが、今回は氷ノ山の比じゃないです。氷ノ山は積雪は深かったのですが、比較的なだらかでした。スノーハイキングと呼ぶのかな。

しかし今回は急斜面を登って行くため脚を上げるのがかなり大変です。しかもこんな状況なのに軽アイゼンしか持って来ていない。軽いトレッキングの予定だったのに。

 

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ようやく平坦なところに出て来て安心するのですが、ようやく山頂まで半分の距離。行動食(チョコ)と水分補給しつつ先を急ぎます。

 

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ようやく金比羅峠分岐へ。もう少しで山頂かなと期待しつつ。

 

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のんびり歩いていると激しいラクの音が聞こえてきます。

 

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谷側にキレットが。近付くと滑落しそうなため、キレット内でラクの音が聞こえてくるのを確認する程度に留めました。

 

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キレットで冷や汗を流しながらもひたすら登り続け、平坦なところに出るともう山頂かと期待するのですがそんなことはなくラッセラッセル。

 

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勾配がかなり急になってきました。ラッセルも膝上まで埋まるので、生えている木の太い幹を取っ掛かりにしてラッセルを脱出しつつ登ります。

斜面が急なのと、雪が脆いせいで誤って根に被さった雪庇に踏み込んでしまうと腰上まで埋まりました。

埋まってしまった脚を脱出させる勢いに乗じて両手を突き出し、四肢を使ってのまさに登攀という格好です。

こういう状況でピッケルがあればもう少し楽に登れそうなのに。

 

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また平坦なところに出ます。動物の足跡らしきものを見つけ、足跡の周りに積もった雪から推測し、おそらく早朝通ったものであり、足跡が大きい割に深く埋まっていなかったことから、あまりラッセルをやらずに済みそうだと判断し、足跡を辿って山頂へ向かいます。

 

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ひたすら登って行くとスキー場が見えて来ました。スノーボーダーがさかんに回転ジャンプしています。スノボーもオーリーやって呼ぶのかな。

 

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来た道を振り返ると琵琶湖が見えます。端が見えないくらい大きな湖でした。

山頂へ

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スキー場沿いを歩き続けます。奥に見えるのは小女郎峠。テン場に出来そうな平地が見えます。

 

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ようやく山頂へ。11時頃から登り始め、14時半着。コーヒーを入れて一息つきたいところですが、びわこバレイから帰りの終バスが16時27分。このまま下山するには厳しい時間。

 

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どうやって帰ろうか悩んでいたら、スノーボーダーの方が話し掛けて来て下さって親切にロープウェイへのルートを教えてくれました。

スキーやスノボーの邪魔にならないよう端を歩きつつロープウェイ乗り場を目指します。それにしても圧雪されたスキー場の雪は沈まないし、なんて歩き易いのだろう。

 

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片道1,200円を支払い、山頂駅からロープウェイへ。このままふもとの山麓駅まで下ります。登るのは3時間半かかったのに帰りは15分。

 

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食事は行動食(チョコ)と水くらいしか摂っていなかったので、ロープウェイ山麓駅近くの露店でコロッケと唐揚げを買ってほおばりました。うまい。と、今回の山行でした。以下は雑記です。

ピッケルの扱い方について

今回の山行でピッケルが必要だと感じたので少しピッケルについての所感を書いてみました。私はピッケルを使用したことがなく、映像でしか見た事がないため、主な用途としては下記の認識です。

・滑落停止

・ビレイ時の支点(ロープでの引き上げ、引き下げ)

・登攀時のホールド(特に急斜面)

・耐風姿勢の維持

トレッキングしていると時々ピッケルを持たれている方を見かけるのですが、ザックのピッケルストラップに付けられているのしか見た事がないため、道具としてよりファッション感覚で身に付けられているような気がしてあまり良い印象を持っていませんでした。実際、カッコイイなんて理由で持参する人もいるみたいですし。

余談が過ぎましたが今回、トレッキングポールを持参していたにも関わらず登りで使う事はありませんでした。カーボン素材のポールに自重を預ける事が怖かったからです。

ピッケルがあれば登りでラッセルが深過ぎて脱出しづらい場面や登攀時のホールドに効果的だろうと思いました。

ピッケルはトレッキングポールに比べて短いのでどうやってホールドするのだろうと思っていましたが、何のことはなく急斜面ラッセルでなるほどと思いました。腕を伸ばせば地面が触れるくらいの斜面が眼前にあるのです。

しかし今回はそんなピッケルがなかったため、深いラッセルから抜け出しづらい場面ではなるべく太い木の幹を手掛かりに、場合によってはヒールフックのような格好でよじ登る箇所もありました。

また今回は一ヶ所滑落しかけたところがあり、登る時に滑りそうな予感がしていたため、持参していた太めの細引きでセルフビレイしていたおかげで滑った瞬間に踏み止まることが出来ました。こういうシーンでピッケルは活躍してくれそうです。あとセルフビレイするならハーネスが欲しいところです。スリングも用意しなきゃですね。 

日本アルプスで使うことも考え、ピッケルは手に入れておきたいので、ちょっと調べてみようかと。

今回の山行を終えて

ということで2回続けて積雪登山をやってみました。標高1,000mほどで森林限界を超えていないため、斜面に覆い立っている木々のおかげで風の影響はほとんど受けずに登ることが出来ました。

北アルプスのように防風林になるものがないとなると、吹雪くと相当体力を使ってしまいそうです。身体を突き飛ばされるような突風も吹くみたいですね。そんな中でラッセルなんてゾッとします。

とは言え来年は登ってみたいと思っているので、まずは夏山を体験してみようとGW、お盆の時期に上高地へ行ってみるつもりです。

小説「孤高の人」の加藤文太郎に習って初アルプスを燕岳にするか悩ましいところです。今のところ気持ちは木曽駒ケ岳で揺れ動いています。もちろんテン泊予定なので体調含め準備バッチリで迎えたいところです。

コーヒー豆を一杯持って行かなきゃな〜。